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No.1 旅をする理由
November 16, 2014

2014年の夏
アイヌの儀式「イオマンテ」を求めて北海道へ向かいました。
「イオマンテ」とはヒグマなどの動物を殺して
その魂であるカムイを神々の世界に送り帰す祭り。
もう長い間この祭りはやっていないのは知ってたが
ネットで調べていくうちに
神様と友に生きるアイヌの文化と
日々平凡に生きている自分の生活との違いに
いても立ってもいられなくなったのです。
北海道の旅初日
二風谷でアイヌの血を引くおばさんに出会った。
おばさん「どちらから? その引き出しを開けてごらん、きれいでしょう」
おばさんは樹皮の繊維を織ったアイヌの反物をつくっている。
私「淡い桜色がきれいですねぇ。でも高そう…
あっ、そこにぶら下がっている染めた糸を譲っていただけませんか?」
おばさん「ここは材料を売る店ではないけど、
その短い糸なら特別にいいよ。
良かったらコーヒーでも飲んでいけば?」
私「これから博物館に行くので、失礼します
糸、ありがとうございました。
帰ったら、これでお守りを作ろうと思います」
アイヌ博物館で
私はついに「イオマンテ」の記憶に出会えた。
ヒグマの頭蓋骨が祀られた祭壇と道具が並べられ
神にささげる女性達の楽しげな歌声が聞こえてくる。
けれども
そこは過去の遺物を観察する場でしかなかった。
ここで納得しなくちゃと葛藤もしてみたが
それだけではどうも物足りないのです…
ふと、反物のおばさんを思い出す。
「あの時、博物館に戻らず、おばさんとおしゃべりすれば良かった。
きっと地元のおもしろい話や昔話もしてくれただろう」
夕方、帰りのバスを待ちながら
人口湖から見える夕焼けと
ススキがキラキラと輝いていたのを鮮明に覚えている。
その時まで、
私には北海道の大自然を眺める余裕はなかった。
その頃には、
一人でいろいろ考えるはずだった旅が
人間臭い出会いを求める旅になっていた。
わー、気付いてしまった!
私は旅の目的に捕われすぎて
完全に大切なことを見失っていたようだ。
旅はズレズレの私の感覚をリセットしてくれる。
そして
初日のデトックスは完了です。
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No.19


KAIEのルーツや記憶を蘇らせた19の文章。
それらを基に、2014年11月に開催した3人展では、KAIEの祭壇を設置しました。
もし、この世に神様や精霊がいるのなら、いままで無事に生きてきた事、
様々な人達との出会いに感謝します。
母の羊水の中の記憶。偶然もらった紙切れやハギレ・洋服・今まで印象に残っている場所行動・旅・めぐり合った言葉。
/// 3 TRHEE EXHIBITIONS 3人展の情報はこちらから